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おおのじょうの伝説(天神の森)

場所
大野城市乙金
分類No.
歴-0044お 文-0065お

天神の森(乙金)

大宰権師となって九州に下られる道真公(みちざねこう)一行の、1カ月あまりの長い苦しい旅もいよいよ終わりとなり、大宰府を目の前にした乙金まで来られたときに、お供の中の一人が長旅の疲れのために高熱を出して、動けなくなってしまいました。

長い道中を失意の道真公を慰め励ましながら、やっとここまでたどり着いたのに、とうとう病気になってしまったのです。乙金村には医者は居りません。道真公は持参しているいんろうの薬だけを頼りに、一生懸命看病されました。

しかし、その甲斐もなく、お供の人はとうとう死んでしまいました。大そう悲しまれた道真公は、村はずれの森の一隅に埋めて、手厚く葬ってあげられました。

それからこの森を天神森というようになったということですが、森の中にはいつ頃建てられたのかわからない自然石の石塔があり、「疫神(えきじん)」と刻まれていて、村人たちは季節ごとの花をあげて、病魔から守っていただくようお祈りしています。