国指定特別史跡
日本最古の朝鮮式山城
大野城は、福岡県の太宰府市・大野城市・糟屋郡宇美町にまたがる大城山に築かれた、日本の古代山城である。
城跡は、1952年3月31日、国指定特別史跡「大野城跡」に指定されている。
『日本書紀』によれば天智4(665)年8月「達率億禮福留 、達率四比福夫 を筑紫国に遣 して、大野及び椽 、二城 を築かしむ。」とある。大野城には、大城山山頂 一帯に版築工法 を用いた土塁 と、谷部には石塁 が築かれている。その総延長は約8.6㎞にわたり北・南側は二重に取り巻いている。城門は9箇所設けられている。最も荘厳な構えは太宰府口城門である。また、北石垣城門では日本初となる鉄製の軸受金具が出土した。土塁・石塁の内側には8群約70棟の建物が確認されている。
大野城の役割は、敵が水城を越えて侵入してきた場合に、大宰府政庁やその周辺の人々が逃げ込むための城であったと考えられる。宝亀 5(774)年に大城山に四王院が建立されたことから現在は四王寺山という名称で親しまれ、宗教的信仰の対象ともなっている。